《夏にも楽しめる爽やか樽系シャルドネ》

夏に向かうタイミングであえての樽系シャルドネなのには理由があります。
こちら、樽樽過ぎない、重くない、きれいで絶妙な樽感が特筆ものなんです。
暑い時期には軽いワインを選びがちですが、こちらは「爽やか樽系」とでも呼びたい夏にもお薦めの1本。
2017年にニュージーランド南島セントラル・オタゴで設立されたまだ新しいワイナリー。
爽やかさとふくよかさを両立した、イキイキとした味わいをぜひお試しください。

《シニアソムリエまーちゃんのテイスティングコメント》

薄い黄色。
グレープフルーツやレモンなど、黄色い皮の柑橘を思わせる爽やかな果実香。
加えてバターやビスケットを思わせる香ばしく甘い香りもあり、レモンパイをイメージします。
柑橘類に加え、りんごや洋梨、桃などを連想する豊かな果実味が鮮明に広がる明快な美味しさ。
ほのかな甘みを伴う鋭さのない洗練された酸もしっかり。
ふんわりと樽の柔らかさを持ちつつも、果実味や酸がイキイキしていて躍動感があります。
爽やかなワインが好きな方、ふくよかなワインが好きな方、皆様に美味しく感じていただけると思います。

白身魚のムニエルやフライはもちろん、ポークステーキ、チキンステーキなどの白身の肉料理にも。
もちろん夏だけでなく、季節を問わずに楽しめる万能な味わいです。

《ピュアで風味豊かなワインを造る女性醸造家》

科学とアウトドアが好きだったサラ・アダムソンは、ブドウ栽培学の卒業生と話をしたことで、理学と法学を1年間学んだカンタベリー大学を去りワインの道へと進みました。
2004年から世界中のワイン産地に携わり、沢山のワインメーカーとともに働き、ワインスタイルや味わい、考えに大きな影響を受けました。
ブドウ栽培とワイン造りのあらゆる側面にも疑問を投げかけ、アイデアや慣習にも挑戦。同時にワインがどのように造られ、完成していくのかを観察。
夢を描き自問自答しながら考え抜いたあげく、パートナーのグレッグ・レーンと合わせて30年以上の経験を経て、2017年スカウト・ワインズを正式に発足。

サラは昔ながらのワインスタイルを現代の風味にアレンジすることが、スカウトのスタイルであると考えています。
添加物やテクノロジーに頼ることなくピュアで風味豊かなワインを造っています。
ワイン造りで一番好きなのはブレンド作業。

「スカウト」という名前は、ハーパー・リーの小説「アラバマ物語」の主人公からインスピレーションを得たもの。
人種差別問題という重いテーマの中で、スカウトは質問者であると同時に観察者でもあり、スカウト・ワインズにとって重要な存在。
スカウト・ワインズは、こうした観察眼とアイデアを実践することを目的としています。
ワイン造りのキャリアを通じて、ブドウ栽培とワイン造りのあらゆる側面に疑問を投げかけ、考えや慣習に挑戦してきました。

ワイン造り：原料のシャルドネは、ピサとベンディゴという2つの偉大なセントラル・オタゴのサブリージョンで栽培。
ベンディゴの畑はベンディゴ・テラスの高台にあり、素晴らしい景観の北向きの急斜面。
ピサにあるローバーン・ヴィンヤードは、ダンスタン湖の端に位置。石が多く水はけが良い畑。
果実風味が豊かで素晴らしい酸を持ち良バランス。
圧搾した果汁は樽で、野生酵母による自然発酵と100％のマロラクティック発酵。

(文章：佐野 雅子)