ドイツのバーデン地方のワインが当店初登場。

ドイツというとモーゼルやラインガウなんかは耳慣れた産地ですが、バーデンはあまり馴染みがない産地かも知れません。

ドイツ最南で日照に恵まれた最も温暖な地域。力強いワインが産まれます。

栽培面積はドイツで３番目に大きく、ワインの75%が協同組合産。

「ブルグンダーの国」と言われブルグンダー種にとって理想的な生育条件が揃っているそうで、今回ご紹介するワインもシュペート・ブルグンダー、つまりピノ・ノワール。

これ、一口惚れ!

試飲で即決採用の、美しく、力強く、エレガントな１本なのです。

薄めのガーネット色。

黒系、赤系のベリーフルーツ香に加え、ローストコーヒーのような甘く香ばしい香りも。

クラシカルできちんとしたブルゴーニュ系ピノらしさの中に、柔らかなニューワールド・ピノの明るさが溶け込むようなタイプ。程良い肉付きでほのかな甘味もあり。

タンニンや酸も大変バランスが取れていてしなやか。

強すぎず心地良い樽感には高級感もあってなかなかいい感じなんです。

(2500Lの大樽で24ヶ月熟成)

鴨肉・鶏肉でお料理に腕をふるうなんて日には絶対のお薦めワイン。

「お家で楽しむちょっといいピノ枠」としてぜひお試しください。

1981年にラインホールトとコーネリアのシュナイダー夫妻が地元の生産者組合を離れ、バーデン南部カイザーシュトゥールのエンディンゲン村に自分達のワイングートを立ち上げ。

2002年からは、ファルツで研修をしていた息子のアレクサンダーもワイン造りに加わるようになりました。

設立当初から殺虫剤や化学肥料不使用せず、肥料は馬の糞など自然を尊重した葡萄栽培。

所有する畑は合計で6.8haで、自分達で細部まで気を配り作業が出来る範囲に留めておきたいと考えているためこれ以上は広げるつもりはありません。

最新テクノロジーに頼らない職人的な手法で最高の品質のワインを造りたい考えで、収穫をはじめ、仕事の多くは手作業。

天然酵母による長い発酵と熟成、澱と長くコンタクトさせることで、柔らかくフルーティなスタイルを持ちながら、長期熟成が出来るタイプのワインを造っています。

暖かい気候とカイザーシュトゥールの火山性土壌に適したシュペートブルグンダー、ヴァイスブルグンダーなどブルグンダー系の品種に力を入れています。

「ゴーミヨ・ドイツワイン・ガイド2020」で3房。

「ヴィヌム2020」で4つ星。

「ワールド・アトラス・オブ・ワイン第7版」でカイザーシュトゥールの最高の栽培家のひとつに名前を挙げられています。

(文章：佐野 雅子)