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店主まーちゃんがゆく 世界ワイナリーリポート

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南フランス ローヌ&ラングドック産地レポート

南フランスローヌ&ラングドックを、店主まーちゃんがゆく...その2


●ドメーヌ・ド・モンヴァック

本日最後のワイナリーはドメーヌ・ド・モンヴァック。ギリシャ・ローマ時代にワインを入れていたアンフォーラという壷を描いたかわいい看板の向こうには、クリーム色のすっきりした佇まいを見せる建物がありました。このワイナリーの先祖は樽職人で1930年代から樽にワインを入れて販売していたそうです。オーナーのジャン・デュセール氏はワインの世界とは無縁でしたが、結婚してこのドメーヌに入りエノローグ(醸造家)の免状を取得。現在は娘のセシルさんが継いでいますが、彼女の世代もまたご主人が醸造を担当していらっしゃいます。

瓶詰め作業

ドアを開けると、セシルさんがにこやかに出迎えてくれました。早速醸造設備を見学させて貰います。カシャンカシャンと大きな音が聞こえてくるのは、ワインの瓶詰め作業でした。瓶詰めの機械自体は見たことがありましたが、実際に瓶詰めを見るのはこれがはじめてでした。大きな機械にはからの瓶が並んで動いてきます。機械にはホースが繋がっていて、12個ある詰め口(写真の左側)にボトルが差し込まれると赤いワインがサッーと注がれ、コルクをする部分(写真の右側)に流れて行き、あっという間にコルクが打たれてまた流れていきます。機械の終わりのところに人が待っていて、出てきたワインをパレット積みしていました。この後は瓶熟を経て、ラベルを貼り、世界中に出荷されていくという訳です。

この蔵は、今までみてきた中では醸造スペースがかなり広い上に、1階と地下に分かれていました。実はこれがミソなのです。1階には醸造タンクがあり、その足元に蓋が並んでいます。この蓋は地下にある熟成タンクの上部になっていて、出来たワインを簡単に熟成タンクに入れることが出来るようになっていました。

地下に降りるとさっき1階で見た蓋の本体である熟成タンクの部屋になっているのですが、このタンクはステンレスタンクをコンクリートの壁で覆っているので、一見すると壁に小窓とレバーがついているだけです。もし、何も知らないでこの場所に連れて来られたら、一体何のための場所なのか見当がつかないと思います。セシルさんの説明を聞いて「ほぉー」っと関心してしまいました。

樽の部屋

続いて樽の置いてあるところに行きました。私の背丈ほどもある大樽(写真の右端の焦げ茶色の樽)が置いてあり、セシルさんが「これおじいちゃんが造った樽なのよ」と教えてくれます。その樽は今では飾りのようでしたが、現役中の樽も並んでいます。10個ほどは寝かされて置いてあり、上部はワインの色が付いていましたが、その奥には今朝届いたばかりという真新しい樽が立てておいてありました。ちなみに新樽は1個10万円ほどするそうです。結構するのね・・。

テイスティングのために1階に戻りました。黄色い壁と自然の石を使ったティスティングルームで、ヴァケラスを飲みました。ヴァケラスは90年にAOCに認められた比較的新しい産地ながら、コストパフォーマンスが良いものが多く、私は好きです。「語る」産地でないような印象ですが、それだけ地に足が着いているというか、「飲むために飲むワイン」である気がします。ここのヴァケラスも、素朴な甘さのコクとしっかりしたボディがあって美味しい!そして面白いのがヴァケラスの白。赤の産地なので、白はとても生産量が少なく珍しいのですが、セシルさんは思い入れがあるようで、「温度に気を付けて大切に造っている。今はちょっとしか造っていないけど、大切に造り品質を上げることで、お客さんがついてもっとたくさん造れるようになればいいなと思ってるの」と話してくれました。確かに繊細さがあり、赤の力強いおおらかさとは違う印象を持つワインでした。とても気に入ったので買って帰りたいというと、「1本あげるよ」と言われて貰ってしまいました。

袖口にフリンジのついたおしゃれなセーターを着ていたセシルさんは、明るくて感じの良いマダム。主人が「おしゃれですね」と褒めると、「今日は特別。畑にいる時はひどいのよ」と笑っていました。セシルさんの農作業姿というのも見てみたい気がします。


●8月29日(木) ドメーヌ・デュ・ペール・カボシュ

玄関

南仏のワイナリー見学も今日が最終日。1件目の蔵はドメーヌ・デュ・ペール・カボシュ。シャトー・ヌフ・デュ・パプにあります。なんとここのオーナーはシャトー・ヌフ・デュ・パプ村の村長さん(左の写真)なのです。この日も忙しいお仕事の合間をぬって、私達を案内してくれました。この蔵は1600年にすでに文献に登場しているという古い歴史を持ち、ワイン造りは1820年から。「カボシュ」とは南仏の言葉で、馬の蹄に使う釘のことだそうで、先祖は蹄鉄工を営んでいたとのこと。ワイナリーの入口に、ビニールプールほどの大きさの蹄のオブジェがかかっています。味のある建物の中は意外とオフィス然としていてパソコンも何台か置いてありました。

シャトー・ヌフ・デュ・パプについてちょっとおさらいをしてみましょう。「シャトー」とつきますが、これはボルドーの「シャトー●●」などで使われる「蔵元」の意味とは違い、AOCの名前です。「シャトー・ヌフ・デュ・パプ=法王の新しい城」という名前どおり、14世紀にローマ法王がこの地に別荘を建て、まわりにミサ用ワインの葡萄を植えたのです。フランスが世界に誇るAOC制度(原産地呼称制度)生誕の地がここなのです。(1936年にAOC認定)力強く長期熟成に向く、赤ワインが多く産出される土地です。

まずは試飲からということで、半地下になっているテイスティングルームへ。使い込まれた焦げ茶色の大樽が5つ6つ並び、全ての樽には様々なコンテストの賞状が飾られています。小柄で温和そうなセラーマスターが、ブランデーグラスのようなグラスにシャトー・ヌフ・デュ・パプの白2001を注いでくれて試飲。シャトー・ヌフ・デュ・パプの一番の特徴は、許可品種が13種類もあるということですが、最近では、13品種全てを栽培している蔵は数えるほど。この蔵は、その数えるほど少ない貴重な存在の1件なのです。ここの白はブール・ブーラン40、クレレット25グルナッシュ・ブラン25、ピクプールとルーサンヌ10%というように、5品種を用いて造られています。樽熟せず、低温発酵でマロラクティック発酵(乳酸発酵。鋭い酸味のリンゴ酸を、温度を上昇させることにより円やかな乳酸に変化させる)も行わないため、すっきりとしたさわやかさを感じ、私が苦手な「南のボテッとした白」ではなくて美味しい!赤も使用品種は多く、グルナッシュ70,シラー15,ムールヴェードル7、サンソー8%・・。除梗(葡萄の粒の間の茎を取り除くこと)するのが主流の現代でも、この蔵は除梗なしで複雑さを出しています(ヴィンテージによっては除梗する年もあるそうです)。ヴィンテージ違いで2000年と2001年を試しましたが、さすがにどちらもまだ少し固さは感じました。このあと、上級品も試したところ、これも熟成した方がいいのは明らかながら、力強さが際立っていて、とても好みでした。そしてこの蔵でもうひとつ気に入ったのがヴァン・ド・ペイ。アンティーク調のラベル(案内の上田さんは「このラベル汚れてるんじゃないですか?」と言っていた・・。違うってば・・)がすごくおしゃれでプレゼンが良い上に、クセのない飲み易い味、お手頃価格と揃っており「これは売れるぞ!」と、商売人の血が騒いでしまいました(笑)。

ここの醸造設備の自慢は、「フランスで一番最初に採用した破砕機が上下するシステム」。トラックの荷台から葡萄を破砕機に入れると、それがエレベーターのように醸造タンク上部と同じ高さに上がり、ベルトコンベアーでそれぞれの醸造タンクの所まで運ばれて投げ込まれる仕組みなのです。前日に見学させて頂いたドメーヌ・ド・モンヴァックといい、みんな色々工夫しているんだなあと思いました。重労働ですから、少しでもラクが出来れば助かるでしょうね。

さて、村長の車に載って高台の畑へ。シャトー・ヌフ・デュ・パプの畑は、漬物石のような大きな石だらけであることで有名ですが、実は土壌は2種類あって、平地の畑はそれほど石だらけではありません。丘の畑が石だらけなのです。このあたりは太古の昔、ローヌ川の川底だったのです。畑は、特大の男爵いもが敷き詰められているような不思議な風景。このごろごろした石が、日中に太陽熱を蓄え、夜に熱を放出することにより積算温度が上がり、より熟した葡萄の収穫を可能にするのです。

村長は、「この木はグルナッシュ、こっちはシラー、これがグルナッシュ」と次々教えてくれるのですが、私にはどれも同じに見えます。「なんで区別できるんですか?」と聞くと、葡萄の葉を一枚ずつちぎって形の違いを見せてくれました。確かに形は違うけど、良く見ないとわからないので、やっぱりこれは経験の差でしょう。葡萄の実も良くみると微妙に色調が違います。そして、葡萄も食べ比べてみると、当たり前ですが全部味が違いまして、中でも「クノワーズ」という品種は味があまりありません。「これはあんまり味がしないですね」と言うと、「それがクノワーズの特徴で、糖度が上がるグルナッシュなどの緩衝材的な役割」とのことでした。うーん、奥が深いぞ!

写真を見て頂くときっと、「この畑、どうやって水を蓄えるんだろう?」と思うでしょう。ちゃんと石の下(かなり下ですが)に土の層がありますのでご心配なく。去年のドイツのスレートの畑でも思ったのですが、地球ってすごい!植物ってすごい!自然は偉大だ!と感じます。実際に葡萄畑に来ると、日々のワイン販売のこまごまとしたことに振り回される自分の小ささを感じずにはいられません。醸造技術(技術というより、テクノロジーという感じでさえある)は日々進歩していますが、やっぱりワインは畑で造られるもので、「良いワインは良い葡萄から」という基本がこれからもそうあって欲しいと願います。

「愛されし土地」という意味のこの畑は、丘と丘に挟まれた南向きの谷になっていることでミクロクリマ(微小気候と訳されます。僅かな地形の変化による気候の違い)が生まれ、最上級の葡萄が出来るとのこと。確かに、濃い色調、がっしりとした骨組みと果実味の密さが感じられます。まだ若いため、舌にタンニンが降り積もったような荒さもありますが、数年後には素晴らしいワインになるでしょう。最後に、セラーの外で97年の「テラ・アマタ」を試しました。このワインが5年ものとは思えないほどの古酒の風味を醸し出していて、何とも不思議な感じでした。ピエールさんは、「このワインは吐き出せないね」と言って、全部飲んでいました。途中で、「スーパーマリオをいかつくしたようなおじさん」が日焼けした顔をほころばせながらやってきました。毛むくじゃらの太くて短い腕にはなんやら入れ墨が入っています。「うちのセラーマスターだよ」と紹介されたのには驚きました。だってワインを造っているより、漁船で網をひっぱってるほうがしっくりきそうな方だったからです・・。

さて、そろそろ夕方が近づきつつある頃(でももう20時近く)、今日の晩ご飯を食べるのにお薦めのレストランまで道案内してもらいピエールさんにお別れしました。

場所はシャトー・ヌフ・デュ・パプの山中の立派なレストラン。期待が大きかった分、けっこうヤラレました・・。昔ながらのフレンチとでもいうか、ほんとにソースも盛りつけも一品一品凝っているんですが、あまりに味が濃く、正直言って我々日本人の口には合いませんでした。でも、ワインリストはさすがにすごく、シャトー・ヌフ・デュ・パプが延々と続き、そのうち白に1ページを割いていました。(シャトー・ヌフ・デュ・パプの白はわずかしか生産がありません)。


●2002年8月28日(水) ドメーヌ・ド・ギシャルド

さて、今日は3件の蔵を回ります。まず1件目は、ドメーヌ・ド・ギシャール。昨日通ったシャトー・ヌフ・デュ・パプ村を過ぎ、さらに北上。山の中をちょっと迷いましたが、なんとか蔵に着きました。ここは、35haの畑を所有する家族経営のワイナリー。1980年から父親の仕事を引き継いだアルノー・ギシャールさんが、奥さんのイザベルさんと、収量を抑えたワイン造りを行っており、ロバート・パーカーの「ローヌワイン」で4つ星の評価を得ています。

オリーブ

ご挨拶のあと、早速畑を案内してもらいました。畑に続く道を歩いていると、すごい勢いで白くて大きな犬が横を走りすぎました。ここの看板犬?のオリーブちゃんがご主人に追いつき、こちらを見て嬉しそうに尻尾を振っています。広大な畑の中で放し飼いにされているためか、おおらかで人懐っこくとってもかわいい!こんなところで飼われる犬は幸せですね。

畑の中では、猪の足跡がついていました。良く出没して葡萄を食べてしまうそうです。また、30センチくらいの小さな蛇がいました。びっくりしましたが、健康で安全な畑の証拠でもあると思いました。

見せてもらった畑は、比較的若い樹が植えられていました。きれいに実った葡萄樹の畝の間には、わざと雑草を生やしているとのこと。若い樹は活発に活動し、必要以上に養分を蓄え過ぎるので、雑草と養分の吸収を争わせてコントロールするそうです。そういえば、去年行ったドイツの州営の実験畑でも畝の間に芝生を植えてデータを取っていたなあ。このブロックの葉は青々としているのですが、道を挟んで反対側の畑は、葉が黄色がかって少し枯れかかっているものもあります。この違いは、表面からは見えない、土壌の下部に違いがあるとのこと。フランスでは灌漑が禁止されています。表面は乾いているように見えていても土壌の下の方では水分を含んだ層があり、葡萄は土壌の下部の水分や養分を求めて根を下に下にと伸ばすのです。ところが、この反対側の畑は土壌が少し違い、途中に岩の層があるため水分を貯める力が前出の畑よりは少なく、同じ気象条件でもこのときのように少し枯れてしまうこともあるそうです。

たわわに実ったグルナッシを食べてみました。お日さまに温められた葡萄は、ぽってりとした甘さがあっておいし〜い!ワイン用の葡萄は食べても美味しくないと聞いたことがあったのですが、そんなことはないです。葡萄の粒はデラウェアをひとまわり大きくしたくらい。その大きさに対しては、皮は確かに厚いので、食用とはやはり違うとは思いました。次にシラーを食べてみると、こちらもとても甘いのですが、グルナッシュの甘さとはわずかに違いました。この微妙な差がワインになった時にも、(当たり前ですが)差になるんですね。

次にセラーを見学。温度管理できるステンレスタンクが7本立ち並び、タンクの上部に行ける安定した足場が造られています。タンクは1本1万リットル入るそうです!天井には、タンクの中で浮き上がってきた葡萄の皮を沈めるための機械が取り付けてあり、これは稼働式になっていて、順番に全てのタンクに使えるようになっていました。

裸

次にテイスティング・ルームへ。

アルノーさんが見せてくれた写真には→上半身裸で葡萄を踏む男性が写っています。「97年まではこんなふうにしてたんだよ。」えっ〜?!そんな最近までこんな造り方してたのかあ・・。びっくり。この足踏み作業は、最初は葡萄の種が足に当たって痛いそうなのですが、しばらくやっていると葡萄が潰れて柔らかくなり非常に気持ちが良く、マッサージ効果が得られるため、やらせて欲しいという女性が多いそうです(笑)。

ワインは、AOCコート・デュ・ローヌの赤・白をいくつか飲みました。このワイナリーの特徴なのか、ローヌのイメージからするとどれもエレガント。力強いというタイプではなく、上品にまとまったタイプです。印象に残ったのは「シラー」とだけ書かれた非常にシンプルなラベルのもの。ローヌ北部のワインを思わせるような、酸のバランスがきれいにとれた1本でした。


●ラ・バスティード・サン・ヴァンサン

玄関

今日2件目の訪問は「ラ・バスティード・サン・ヴァンサン」。道路沿いに立っているドメーヌの看板を曲がると、こんもりときれいに切りそろえられた木々があり、その奥にテイスティングルームと住まいがあります。小さなテーブルとイスが出してあって、入口には葡萄の蔦がからまり、センスの良さが感じられました。

写真がドメーヌ入口。かわいいでしょ?

まだ30代であろうオーナーのギー・ダニエル氏が出迎えてくれました。彼はネゴシアンで働き、その後、小作人だった祖父が1980年代に創業したこのワイナリーを継ぎました。わずか20年でパーカー4つ星生産者となったのです。畑は6つの村に点在しますが、このドメーヌのまわりももちろん畑に取り囲まれています。

テイスティング・ルームには、いかにも南仏といったラベンダー畑などの風景の、素敵な写真がいっぱい飾られていました。この写真は、この蔵のワインメーカーが撮ったもので、彼はワインメーカーと写真家という二足のわらじを履いているそうです。なるほど、どことなくこの蔵に漂うスタイリッシュな感じは、アーティストでもある彼の影響があるのかも?

まずはティスティングです。ここでは、ジゴンダス、ヴァケラス、コート・デュ・ローヌ、ヴァン・ド・ペイ・ヴォークリューズを造っています。この蔵で一番印象に残ったのが、「コート・デュ・ローヌ ロゼ」。ヴィンテージは確か01だったと思います。ワインコンクールで金賞を3つも獲得したもので、やや濃いめの赤よりのピンク色。果実味とコクのある辛口ロゼで、ブラインドで飲んだら軽めの赤と言ってしまうかもしれない非常に力強いワインです。これは脂ののった鴨の料理に合わせてみたいと思いました。赤だと旨味がタンニンで覆われてしまうような気がしますが、このぐらいの強さのロゼならきっとぴったりのはず!

では畑とセラーを見に行きましょうということで、外に出たところ、入口の道沿いには白葡萄が植えられていました。ワイン用にも食用にもするシャスラでした。「食べてもいいですか?」と聞いたら、「取ってあげますよ」と言われて、?と思っていたら、ハサミと段ボールを持って出てきて摘んでくれるんです。ああ〜、味見だけでいいのに〜、と遠慮するのも構わず、ずっしりと重い段ボールいっぱいの葡萄をもらってしまいました・・。シャスラにマスカット、それにマスカット・ノワール。このマスカット・ノワールは、黒葡萄なんですが、食べるとちゃんとマスカットの味がするのでした。

車で5分ほど走って、セラーに着きました。手狭になったため新しく造ったというセラーの中は空っぽ。でも、セキュリティ・システムだけはしっかりと作動しています。何でもこのあたりは、フランスでも泥棒が多い場所らしいのですが、ワイン盗む泥棒っていうのもねえ・・(笑)。小さな中庭を挟んで、現在使用中のセラーを見せてもらいました。ここに限った話ではないんですが、ワイン蔵って、思うより道具が少ない。ボルドーなどに行けば樽がダッーと並んでいて圧巻なんでしょうが、ローヌではそれもなく、数個の樽が隅っこに控えめに並んでいるだけです。破砕機、醸造タンク、熟成タンク、圧搾機、フィルター、樽、パレット積されたボトル・・。ボトリング、ラベリングは専用の業者がやってくるそうで、この機械は高いうえに毎年機能が向上し、買うより借りる方が効率がいいそうです。ワインは大昔からあった飲み物でもあり、原理的には葡萄を潰しておけば造れるもので、単純と言えばそうかもしれません。でも、だからこそ、人の努力や工夫がてきめんに品質に現れるものなのだと思いました。

中庭で写真を撮っていると、お父さんがやって来られました。2人並ぶとやっぱり親子です、似てます。

さて、そしてセラー裏の畑へ。この日はミストラルがとても強くて、弱めの台風といった感じですが、葡萄も葉っぱも吹き飛ばされないのが偉いですね。この畑が面白いのは、畑の中の道を隔ててAOCが違うこと。ほんの3メートルほどの小道で、土壌が違うともましてや気候が違うとも全く思えないんですが、AOCっていうのは非情なものです。まあどこかで線引きがあるのは当然ながら、まさかこの程度の小道で分かれているなんて想像を絶していました・・。


●シャトー・マス・ヌフ

ちょっとばかり道に迷いつつ、最終日2件目のワイナリー「シャトー・マス・ヌフ」へ到着。この蔵は、ローヌとラングドックの境目といえる、ニームという町にあります。今まで訪問したワイナリーが全て家族経営だったのに対し、ここは会社組織らしい感じで、ご当主であるリュック・ボデ氏の他にマーケティング・ディレクターのシェアン氏もお迎えしてくれました。18世紀に建てられた郵便局をセラーにしており、石造りのこじんまりとした建物が中庭をコの字型に取り巻いている様子は、どことなく懐かしく幼稚園ぽい趣があります。

瓶詰め作業

ところで、南仏のワイナリーに「マ(ス)」とつくところが多いことにお気づきの方もいるかと思いますが、これはこのあたりの言葉で「大きな家」を意味するそうです。

このワイナリーは2000年にボデ家が買収すると、瞬く間にこの地区を代表する蔵に駆け上がり、パーカー4つ星、「ル・デュ・ヴァン・ドゥ・フランス」(フランスのワイン雑誌)4つ星という評価を得ました。ラングドックの品質重視型の蔵としての地位を築き、ミシュランの星付きレストラン(3つ星も含む!)のワインリストにも多数載せられています。

ニームは1件目のシャトー・ヌフ・デュ・パプより更に南下した場所にあることや、時刻が午後2時頃だったこともあるのか、日差しを強く感じます。また、カラリと乾燥しているので、とても喉が渇くのです。でも葡萄にとっては、空気が乾燥していることで病害のリスクが下がり、結果として農薬の量はぐっと抑えることができるという利点があるのです。ここの畑の土壌は、シャトー・ヌフ・デュ・パプ村の平地の畑に良く似ていて、見た目はレンガ(ただし、触ると固い)が砕けたような感じの小石が散らばっています。コスティエール・ド・ニームのAOCを持つワインの中には、「ラングドック」と書いてあるものと、「ローヌ」と書いてあるワインがあり、「一体ほんとのところはどうなのよ?」と今まで思っていたので、ボデ氏に聞いてみると、「ローヌの土壌のところはローヌと書くね」とのことでした。ワインの教本では、コスティエール・ド・ニームはラングドックとなっているのですが、現地の人々は結構柔軟に考えているようでした。(AOCってこんなもん?)ちなみに、このあと行った蔵もAOCはコスティエール・ド・ニームでしたが、看板には「ラングドック」と書いていました。

畑の一角は、来年植え替えをするという2ヘクタールの古樹の区画があり、もう葉もつけていなくて、ぐにゃぐにゃ、ごつごつとした葡萄樹が立ち並んでいる光景は、緑の畑を見慣れたあとには荒涼とした感じがして印象的でした。

セラーには、シャトー・ディケムの1年使用樽も並んでいて、ヴァン・ド・ペイのシャルドネを熟成するそうです。贅沢なヴァン・ド・ペイですね。多くの蔵が瓶詰め工程をレンタルですませたり、他の施設に頼る中、ボデ氏は「瓶詰め施設も自前です。製造の全てに責任を持ちたいからです。」と熱く語ってくれました。

自慢のワインを次々とテイスティングさせて頂きましたが、印象に残ったのはこの蔵の最高峰のシラー。私は甘濃系の赤が好きなのですが、まさにストライクゾーンど真ん中!これが輸入されたら仕入れますので、是非買って下さい!テイスティングもさることながら、ここで面白かったことは、インポーターの仕事を垣間みれたこと。バレンタイン用(ちなみにこの時はまだ8月です)に輸入を検討中のワインのパッケージングについて、キャップシールの色がああだこうだ、瓶形はボルドー型かブルゴーニュ型かなどマーケティング・ディレクターのシェアン氏と協議をしているのですが、シェアン氏もビジネスが絡んいるので当然ながら、「このキャップシールの色は特注になるから高くつくよ」などとなかなか手強い(笑)。当店では、地酒は当店独自のラベルを作ったり、蔵と相談したりして進めることもありますが、ワインについてはラベルやキャップシールにまで口出ししたことなどないので、面白い体験でした。


●最後の見学蔵 シャトー・レルミタージュ

カスティヨン氏

さあ、泣いても笑ってもこの蔵が最後。「明日から本当の休暇だ!」という気持ちと、「これで蔵見学が終わりなんて寂しい」という気持ちが入り交じり、ちょっと複雑な心持ちで最後の見学です。

蔵のお名前は「シャトー・レルミタージュ」。家族経営ながら80haの畑を所有していますが、その全てはこの30年間でカスティヨン家の親子2代で開墾したというから驚きです。コスティエール・ド・ニームの丘の南側に位置し、最大限の日照量と涼しい海風が生み出す気候によって、果実味の濃い健全な葡萄が作られます。お父様もまだ大変元気でいらっしゃいますが、現在は2代目である31歳のジェローム・カスティヨン氏が醸造家として活躍しています。彼は、先日当店でもご紹介した、ローヌ北部の名門生産者組合「カーヴ・ド・タン・エルミタージュ」で修業した経歴を持っています。ワインの話とは関係ありませんが、ハンサムな方です(笑)。

まずはセラーを見学。ひんやりとしたセラーは半地下になっていて、外から見るよりずっと広く感じ、天井も高いのです。薄暗い中にかなりの数の樽が置いてあります。樽が置いてある場所は2つに分かれているのですが、そのうちにひとつはかつて馬小屋だったとのことで、壁の高い位置に窓がついていて、外からその窓をあけて馬に草を落としてやっていたそうです。でも、今ではそんなことは教えてもらわないと全くわからないくらい、床はきれいにレンガが敷かれて、細い排水溝がつけられ、機能的に出来ていました。その場所の一角は小部屋になっていて、オールドヴィンテージのボトルがぎっしりと積まれていました。「これは出荷して頂けるんですか?」と尋ねたら、「これは自家用なんです。どのワインがどのように熟成するかをみているんです。」とのお返事でした。残念!しょっちゅう古酒飲んでるんだろうなあ・・。うらやまし。

セラーを出て、今度はジェローム氏の運転する4WDで畑に向いました。見渡す限りの葡萄畑は圧巻。「この道行けるかなあ?」なんて言いながら、道なき道?を通ると、まさにオフロード、なかなか面白かったです。畑に着いて、例のごとくまた葡萄を食べさせてもらうのですが、どこに行っても「味見だからちょっとでいいです」と言っても大量にくれるんです・・。手がネチャネチャになってしまうんですが、これでいかに糖度が高いかわかるというものです。収穫してたら、あっというまにハサミや指が開かなくなるというのも安易に想像できました・・。

この蔵では機械収穫をしています。多くの蔵が手摘みにこだわる中、ジェローム氏は機械収穫の利点を説明してくれました。まず、優秀な人手が足りないということ=収穫日に必ず来てくれて、きちんと選別して収穫してくれる質の高い労働力を確保するのは難しいということです。これは、前に訪問したラ・バスティード・サン・ヴァンサンのギー・ダニエル氏も「収穫当日に、来れなくなった、なんて言われると本当に困る」とぼやいていたので、良くわかりました。また、収穫は外国人労働者も多いのですが、その時限りの仕事と思う人の中には「責任をもって良い仕事をする」という意識が低い人もいるのでしょう。「80haもの畑を、とても家族で収穫できませんよ」。私が「でも、機械収穫で葡萄を選別出来るんですか?」と食い下がると、「収穫機も色々なタイプがあります。うちのはそういう仕組みです。戻ったら見せてあげますよ」。

蔵に戻って早速収穫機のところへ。で、でかいっ!!止まっていても恐ろしいくらいなので、これが動いてこっちに来たら、ホントに怖いと思いました。一番高いところで3メートルほどでしょうか?タイヤもごつくて、ブルドーザーみたいな感じです。ルノー製なのが、さすがフランス。なんとこの機械1千万円くらいするそうです!左側前輪の上に運転席があり、タイヤとタイヤの間に葡萄の樹列を挟んで進むようになっていて、タイヤとタイヤの間には、ろっ骨のように左右から何本かの白い横棒がついていて、これが葡萄樹を挟んで揺らします。そうすると振動で熟した葡萄だけが落ち、熟していないものは樹に残るそうです。横棒の下部はベルトコンベアーになっていて、落ちた葡萄は収穫機の後部にある箱に運ばれる仕組みになっています。箱が冷蔵なのかと思いましたが、そうではないとのことでした。これが冷蔵だったらもっといいのに!考案して特許でも取ろうかしら?(でも、冷蔵のもあるような気がします。私でも思いつくぐらいですから・・)

この後、ワインを試飲させて頂きましたが、ジェローム氏は日本酒にも少し興味を持たれているようで、どのようにして作るのかと聞かれました。私が「ワインと日本酒との一番大きな違いは、(原料の違いの他は)水を使うかどうかだと思います。日本は山が多く良い水に恵まれていて、それが酒造りが発展した要因だと思います。」と話すと、納得された様子でした。この蔵が最後と思うと、出されたワインも「テイスト」ではなく、しっかりと飲んでしまいました・・。ご自慢のワインは、ここの最高級品。ボウリングのピンのような非常に印象的なボトルに詰められていて、味わいは産地のイメージよりずっと繊細な感じです。これから5年間かけて、5ヴィンテージのセットを作るそうです。壁には、このワインのラベルのデザイン画が飾ってあり、5ヴィンテージのラベルは、赤系の色合いのグラデーションで少しずつ変えています。これがちゃんと5ヴィンテージ集まって木箱に入ったら、本当に素敵だろうなあと思いました。

外に出て、お父さん、お母さん、ジェローム氏と写真を撮らせて頂きました。お父さんが、とてもこの広大な土地を開拓した強者には見えない温和そうな方だったのが印象的でした。ジェローム氏には男の子の双子が生まれたそうで、「3代目ももういらっしゃるなんていいですね。」と言うと、皆さん本当に嬉しそうなお顔をしていました。家族で力を合わせて仕事をすることに誇りを持っているのが感じられました。

そうそう、この蔵には、白馬が2頭います。仕事に使うのかと思っていましたが、ペットだそうです。さすが土地が広いと、スケールが違う・・。

産地を廻って、こうして生産者の様々な話をじかに聞くと、葡萄作り、ワイン作りの正解は決してひとつではないということが良く判ります。昨年ドイツに行った時にも、ある人は絶対に天然酵母でないといけないと言い、またある人は培養酵母の優位性を話してくれました。また、ある人は人工コルクを嫌い、ある人は積極的に使用していました。

今回のローヌ・ラングドックの旅でも、本で勉強しているだけでは知りえない様々な事を見聞き出来ました。収穫直前の忙しい中、私達のために時間を割いて下さった蔵元の方々には本当に感謝しています。

ご存知のように、私達が帰国した直後、このあたりは酷い洪水に襲われ、大変なヴィンテージになってしまいました。訪問した蔵も、マス・ヌフは収穫が少し早かったため難を逃れたということでしたが、他の蔵は被害を受けて収穫量が減り、また、やむなくワインを格下げするところもあったとの事です。本当に残念な事で、蔵の皆さんの気持ちを考えると悲しくなりますが、自然を相手にずっと仕事されてきた方達のこと、きっと新しい希望を持って、新年を迎えられることと思います。2003年が、今年の不運を吹き飛ばすほどの良いヴィンテージとなることを、心から祈っています。


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モンヴァック看板

かわいらしい看板が出ています。クリーム色がイメージカラーのようで、建物もこれと同じ色。すっきりシンプルな印象です。


醸造タンク

左側が醸造タンクで、この足元に地下タンクにつながる蓋があります。右側は圧搾機。奥が瓶詰め作業場です。


地下熟成室

上の写真の醸造タンクの真下が、この地下熟成タンクです。機能的な作りになっています。


夫妻

醸造を担当するご主人も優しそうな方で、2人並んだ写真を撮らせて欲しいと頼むとちょっと照れた様子ながらソファに座り、にっこり。この仲の良さもワインの味に影響するのかもしれません。


パプ城

これが、今は廃虚となっているシャトー・ヌフ・デュ・パプ。


パプのセラーマスター

試飲のワインを注いでくれるセラーマスター。


パプ村

シャトー・ヌフ・デュ・パプ村はこんな感じののどかな田舎です。


パプの畑

丘の畑は、こんな岩だらけ。じゃがいもみたいです。


風に向う吾郎

それにしてもこの日はミストラルが強く、「HPで見てもらうために、どれぐらい風が強いかの写真を撮ろう」と主人が風に向かうと、来ていたシャツの裾がハタハタハタと強く風になびくのです。実は、蔵へのお土産に「南部風鈴」を買ってきたのですが、これは失敗でした。うるさくてかなわんわ・・。


マスヌフ看板

明るい南仏の陽光に映えるマスヌフの看板。


畑

きれいに手入れされた畑。ここでも畝の間に草を生やしています。


植え替え予定畑

ここが来年植え替える予定の畑です。荒涼とした風景。


ボデ氏

わずかの期間でこの地区のトップ生産者の一人となった、リュック・ボデ氏。にこやかな印象でした。


レルミタージュ看板

シャトー・レルミタージュの看板。マス・ヌフと同じコスティエール・ド・ニームですが、ここは「ラングドック」の表記が。


カスティヨン家

カスティヨン家。白壁と咲き乱れる花々がとても美しいお家です。


収穫機

これがその巨大な収穫機。左端に写っている私と比較して下さい。でかいでしょ?


収穫機内部

タイヤとタイヤの間はこんなふうになってます。内部に見える白い骨組みの間で葡萄樹を挟み、揺すります。


レルミタージュ試飲

試飲中。


家族3人

カスティヨン家のお父さん、お母さん、ジェロームさん。


白馬

ペットの白馬です。ペットで馬飼ってるって・・すごい。


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