ナパ・ソノマを、店主まーちゃんがゆく
●久しぶりのアメリカに到着! 2000年6月30日から、ナパ・ソノマへワイナリー見学に行って参りました。 アメリカは約9年ぶり。私は大学生の時、交換留学で1年間アメリカ(ニューヨーク州)にいたのですが、ナパ行きのバスから見るだけでも、その当時の不景気なアメリカとは違うイメージ。ハイウェイを走っている車を見るだけで、アメリカの景気の良さが判りました。(ベンツ・BMW・ジャガーなどの高級ヨーロッパ車が多い!) ハイウェイは、7月4日の独立記念日の休暇で渋滞し、3時間以上かかってやっとナパに到着です。バス乗り場では、当店のカリフォルニアワインの輸入元である、カリフォルニアワイントレーディング社の山口社長に迎えて頂きました。いよいよ明日、明後日とワイナリー見学です! ●サン・スペリー 翌日、山口社長の運転する車で、ハイウェイを北上。左右遠くには低い山々が連なり、その麓、中腹くらいまで見渡すかぎりの葡萄畑。写真で見るより、ずっと広大に感じます。ナパ・ヴァレーという名前からもっと険しい山を想像していましたが、見た感じは山と丘の中間といったところ。 まずはサン・スペリーへ。 大きなマグノリアの木が涼しい木陰を作るそばに、学校かコミュニティセンターかと思うほどの立派な建物。テイスティングルームはワインの他にもオリーブオイルやパスタソースなどの食品が奇麗に並べられています。当店でもおなじみの「ソーヴィニヨン・ブラン」をはじめ数種類のワインを味見してみました。 今回の旅行は、大学時代の友人も一緒でした。彼女はあまりお酒が強くないので、飲み込まずに味だけみるプロのテイスティングの仕方が丁度良かったようで、「やっぱり飲み比べると、同じ赤でも味が違うのが私にも判るわ!」と楽しんでいました。テイスティングコーナーのスタッフは感じが良く、「直接お客様と話をするのも楽しいけど、私達のワインを売っている人と出会うのもとても嬉しい」と言ってくれました。 ●ニーバム・コッポラ 次なるワイナリーは、ニーバム・コッポラ。さすがに人気ワイナリーだけあって、前庭には奇麗な葡萄棚やガラスのオブジェのある噴水など、ビジュアル的にも素敵。時間帯もあり、ぼちぼち観光客が出初めてきています。 ここのテイスティングルームはお土産物の種類も多く、ワインに興味がなくても充分楽しめそう。スタッフの中には日本人の男性もいました。彼によると、日本人にも人気が高いワイナリーとのことで、毎日日本人のお客様が来られるそう。「日本でニーバム・コッポラのワインを買える店を教えて欲しい」と良く言われるそうなので、私の名刺を10枚ほど置いてきました。(営業、営業、また営業) コッポラの最高峰「ルビコン」の試飲はグラス25ドルですが、社長の顔で無料に!ラッキー!でも、タンニンが豊富なルビコンは、やっぱりお料理がないと厳しいですね。ステーキ食べたい!と思ってしまいました。全部飲みたいところでしたが、そのあとのスケジュールもあったので、後ろ髪引かれながら次のワイナリーへ・・。 ●フロッグス・リープ 着いたのは、ハイウェイから少し入った所にある、フロッグス・リープ。 当店では秋ごろから取り扱い予定です。カエルがぴょーんと飛んでいるラベルは、見たことがある人もいらっしゃるでしょう。私達が着いた時、丁度オーナーのウィリアムズ氏も車で到着。ヒゲと優しい笑顔が印象に残ります。 「今から野球に行くから、好きに見ていってね」とのこと。そう、この日は土曜日だったんです。だから、どのワイナリーも、実際スタッフが働いているのはテイステ ィングルームだけ。ちょっと残念・・。 しかし、それにしてもこのワイナリーは美しすぎる!!花々が咲き乱れ(紫陽花とコスモスが一緒に咲いている!)自家消費用の野菜や果物が、葡萄同様有機栽培で育てられています。小さな池には睡蓮が浮かび、金魚が泳いでいます。木にはみたこともない赤い野鳥が止まりきれいな声でさえずっています。四方を葡萄畑に囲まれ、低い山が見える・・。空は澄み渡り、風はさわやか・・。まさに桃源郷とはこのこと!年を取って引退したら、こんな所に住みたいと心から思いました。 カリフォルニアでは、葡萄の生育期はほとんど潅漑をしません。ここフロッグス・リープの畑も地表はカラカラ。でも、20センチも掘れば、土はしっとりと水分を含んでいるのです。これは、葡萄にストレスを与えることによって、凝縮した実をつけさせるため。また、地表近くに水分がたくさんあると、根は横に伸びてしまい、フィロキセラ(葡萄の根につく害虫)にやられやすくなってしまいます。できるだけ、土壌の下の水分を吸い上げるように、根は下に伸ばす方が良いからです。潅漑をしている畑でも、葡萄の木に沿って横に延ばしたパイプの小さな穴から、ポッチョン、と雫で落とす程度で、芝生のようにスプリンクラーで大量に水を撒くなんてことはないのです。葡萄の実はまだ小さく、畑になっている葡萄を食べるという夢は破れました・・。 その後、タンクが整然と並ぶ醸造棟へ。ここのタンクは筒型ではなく、四角いタンク。スペースを効率良く使えます。ひんやりとして静かで薄暗く、教会のような雰囲気がありますが、建物の端っこにバスケットボールのゴールが置いてあるところが御愛嬌。仕事の合間にここで遊んでいるんでしょうか? ●ワイナリーだけじゃない!レストランも充実です。 お昼ご飯は、「グレイストーン」というレストランで。中は広いオープンキッチンになっており、おしゃれな感じ。コーンスープをプリンのようにしたものや軽くソテーした牡蛎、春菊やハーブのサラダ、海老の天ぷら風のものにクリーム状のドレッシングが掛かったもの・・など、私が学生時代のアメリカにはこんなおしゃれでおいしい食べ物はなかったよ、と思うようなもののオンパレード。 ナパは「食とワインのテーマパーク」と言われているそうですが、本当にそうだと思いました。皿からはみ出すように食べ物が載っている普段着のアメリカではない、別の国です。 ●圧倒的な品揃えのスーパー 食後は、酒屋やスーパーマーケットの視察です。どのお店も、カリフォルニアワインばっかり!フランスやイタリアのワインは隅の方で小さくなっている感じでした。そして、あるある、幻系カルトワイン!「マヤ」「スクリーミング・イーグル」「アロウホ」・・。どのワインも高価ですが、お金持ちワインラヴァーなら買える価格。(微妙な表現・・) スーパーマーケットは、ごく普通の所と、高級食材店(Dean&Deluca)を見ました。前者でも、ワインに関しては充分な品揃え。こちらには、低価格のチリワインも結構置いています。 後者はすごい!ワインの品揃えはもちろんですが、パスタなどの食材はもとより、チーズの品揃えとその安さにはびっくりしてしまいました。フランス産チーズは日本の半額ぐらい。どうして日本ってこんなに物価が高いんでしょう?たくさん試食できるものが用意されていて、チーズ専門の店員さんに相談しながら買い物ができます。ここは本当に楽しい場所です。 ●メリーヴェイル その後、今日最後のワイナリー、「メリーヴェイル」へ。ここは地元の人の生活圏にあり、車の往来も多いです。立派な建物の重いドアを開けると、薄暗く雰囲気のあるバーのようなテイスティングルームがあります。「サン・スーペリー」の健康的ないかにもカリフォルニアらしい雰囲気とは正反対の、大人の雰囲気でした。数種類のワインをテイスティングしましたが、もうこの頃には疲れが出てきていて、あまりよく判らなかった・・というのが本音です。この写真は、両脇に樽がずらっと並ぶテーブル。特別なゲストがここで食事するそうです。うらやまし。 ●ラビット・リッジ いよいよ今日はソノマ郡へ。目指すはうさちゃんマークのラビット・リッジです。ナパ北部の山々を越えてソノマに入るのです。テーマパーク化している洗練された雰囲気があるナパに比べ、ソノマは本当に農業・生活区域という感じで落ち着いています。お馴染のうさぎのトレードマークの看板前で記念撮影です。テイスティングルームでは、うさぎならぬかわいい猫ちゃんがのんびりと寝そべっていました。このワイナリーの名前ですが、オーナーのエリックさんが学生時代陸上選手で、その時のニックネームが「ラビット」だったそうです。 当店でも人気の「ジンファンデル・カリフォルニア・バレル・キュヴェ」をはじめとして、とにかく造っている種類が多い!ジンファンデルでも高価格のものはやはり凝縮感があり、同じ品種間の飲み比べが面白かったです。テイスティングルームからは葡萄畑が一望でき、贅沢な眺めです。 お土産物にこのワイナリーオリジナルの可愛らしいグリーティングカードを見つけ、当店のお客様のお土産用に購入しました。手に入れられたお客様、喜んでいただけましたか? ●スージー・セルビー 続いては、ラビット・リッジで働いていた、スージー・セルビーの所へ。ここは、まるで体育館のような広さの場所を、ラビット・リッジとスージー・セルビー共同の貯蔵、瓶詰め施設にしています。高く積み上げられた樽には、きちんと、どちらの、何のワインかが書かれています。 いよいよ初めてのバレル・テイスティング!どきどき!どんな味がするのかな・・?スポイトのお化けのような大きなもので樽のワインを吸い取りグラスへ・・。本当にメモを取っておいたら良かったんですが、何のサンプルだったか忘れました・・。色は濁っていて暗い色ですが、香り、味わいともにとっても濃厚で、やはり瓶詰めされた完成品よりビッグな印象。まーちゃん、満面の笑み。お隣のきれいなお姉さん(実は、私と年同じ)が、スージー・セルビーさんです。 ●ケンウッド レイヴェンズウッド お昼は中華のファーストフード。訳の判らない日本食もどきよりはずれがないと言う点でOKな選択でした。それにしてもすごい量・・。で、ついでにワインのスーパーマーケット、というか、メガマーケットも覗いてみました。ここもデイリーワインの品揃えが凄く、値段もすごく安い!でも、説明文が全くありません。これは、いくら安くっても普通の人は買いにくいじゃないかなあ・・?と思ってしまいました。 お昼からになると、やはりソノマでも観光客が増えてきて、ケンウッドのテイスティグルームも人でいっぱい。飲むのは諦めて、畑をみることにしました。ここの畑は看板にも描かれているように益虫を放し、有機栽培を積極的に行っています。当店で扱っている「ユルパ」のシリーズでお馴染ですね。その後、ジンファンデルの3Rのひとつ、レイヴェンズウッドと、5つ星ワイナリーのアロウッドへ。充実のソノマの一日でした。 |
この写真はアルカトラズ島から撮ったサンフランシスコの町並み。ナパへはサンフランシスコ国際空港からバスが出ています。また、サンフランシスコから日帰りのツアーもあります。 サンスーペリーのテイスティングルームは、明るくスタイリッシュ。ワインのラベルにもなっている「聖人」のポスターが飾られています。 フランシス・コッポラ監督の所有する、ニーバム・コッポラ。芝生が植えられた前庭は広くて、ピクニックしたくなるような雰囲気。 これが、フロッグス・リープのシンボルのかえる。青い空に飛んで行ってしまいそうです。フロッグス・リープの最初のワイナリーがあった場所は、昔、かえるの養殖場だったんです。(現在は移転しました。) こちらが、ジョン・ウィリアムズ氏。見るからに、おおらかで優しそうな人でしょう? 正面の男性が「カリフォルニアワイントレーディング」の山口社長です。フロッグス・リープではテイスティングというよりはピクニック・・。 フロッグス・リープの小さなスーベニアーショップ。素朴な感じ。 Dean&Delucaの店内。98年オープン。奇麗な店内は、ワインと食材に別れています。 左上は、ソノマのワインショップ。広い店内はご覧のとおり。ワイン、ワイン・・。 |
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